「さくらんぼ」のおはなし
今が旬のフルーツは「さくらんぼ」。蝶結びでは、山形県または青森県で栽培された「佐藤錦」や「紅秀峰」を中心にお届けしています。
5月からハウス栽培のさくらんぼが始まり、ピークは6月中旬。今年(2024年)は、入荷量が少なく、山形県産は間もなく終了しそうな見通しです。
夏の猛暑の影響で、双子果(ふたごか)も連日ニュースで話題になっていましたね。
そんなさくらんぼに関する、知っていると周りに伝えたくなるような?!栄養のお話しをさせていただこうと思います。
さくらんぼとアメリカンチェリーの違い
コロンと可愛い赤い実をつけるさくらんぼとアメリカンチェリー。似たような見た目だけど、異なる名前だから同じ果物ではないはず。でも、さくらんぼとアメリカンチェリーって何がどう違うの?って気になる方も多いのではないでしょうか。
さくらんぼとアメリカンチェリーはどちらもバラ科の実ですが、産地はもちろん、食感や味、よく見ると見た目も異なるため、基本的には別のフルーツとして扱われています。
さくらんぼは日本の果物で、国内で栽培されたもの。対して、アメリカンチェリーはその名の通り、アメリカで栽培されたさくらんぼです。
見た目の違いは、さくらんぼは小粒で丸く、水彩のような鮮やかな紅色ですが、アメリカンチェリーはさくらんぼより一回り程度大粒で丸く、少し黒がかったような濃い赤紫色をしています。味わいにも大きな違いがあります。
さくらんぼは上品な甘さと程よい酸味を感じるのに対し、アメリカンチェリーは酸味はあまり感じられず、甘味が強くて食べ応えがあるのが特徴です。
どちらも生のまま食べられますが、甘味の強いアメリカンチェリーはどちらかといえば、ジャムやお菓子などの加熱調理に向いています。しかし、上品な甘さのさくらんぼは栄養面を考えた上でもビタミン類が豊富なので、是非ともそのまま生で美味しくお召し上がりいただきたいです。さくらんぼとアメリカンチェリーの栄養面についてはまた引き続き解説していこうと思います!
別の果物=栄養価も違う?
ビタミンとミネラルが豊富なさくらんぼとアメリカンチェリー。特に鉄分はどちらも同じ量を含んでおり、フルーツの中ではトップクラス。そして、どちらもビタミンCも含まれているため、鉄分の吸収率も上がり、貧血予防に効果的なフルーツと言えます。しかし、さくらんぼとアメリカンチェリーはその他、栄養成分に様々な違いがあります。
さくらんぼのカロテン量はりんごや桃に比べて4〜5倍もあります。アメリカンチェリーにはないαカロテンをはじめ、βカロテンやβクリプトキサンチンはアメリカンチェリーの3〜4倍の量を含みます。このカロテンやクリプトキサンチンは、体内で抗酸化作用の高いビタミンAに変化し、皮膚や粘膜、視覚の健康維持・向上に効果があると言われています。
また、体内水分量や血圧をコントロールする役割のあるカリウムも豊富なさくらんぼ。対して、アメリカンチェリーは1.2倍多くカリウムを含みます。そのため、どちらかといえば、ビタミンが多いのはさくらんぼ、ミネラルが多いのはアメリカンチェリーとも言えるでしょう。
旬の果物で美容と健康を維持しましょう!
毎日の健康のために
さくらんぼに含まれる糖質の一つである、ソルビトールは他の果物に多く含まれる果糖やショ糖に比べて低カロリーなのにも関わらず、体内の余分な水分の排出や便に適度な水分を与える役割があります。食物繊維との相乗効果によって便秘を解消し、ダイエットにもぴったり。また、ソルビトールは歯磨き粉の成分にも利用されており、虫歯予防にも良い栄養素とされています。
さくらんぼは、年齢を問わずに「美味しく健康を目指せるフルーツである」と言えるでしょう。
美味しく楽しんで食べるための注意点
免疫力の向上に期待ができるなど、栄養豊富なさくらんぼですが、疲労が溜まっている時に食べたり、食べ過ぎによるリスクもあります。アレルギーを引き起こす可能性のある成分がいくつか含まれているため、体質や体調によってはかゆみやかぶれ等が現れてしまうこともあるのです。免疫力が低下している時に食べるのを避け、食べ過ぎにも気を付けて楽しみましょう!
監修・執筆 管理栄養士 内田真実