管理栄養士監修|桃の栄養と効能を紹介
桃は甘くてみずみずしく、子どもから年配の方まで好かれるフルーツです。じつは美味しいだけじゃなく、栄養素もさまざまに含んでいます。
「桃ってどんな栄養素があるの?」
「桃はどのくらい食べていいのかな?」
「食べるメリットってあるのか知りたい」
そんな桃の疑問について、管理栄養士がお答えします。
桃の魅力を内側から知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
桃の栄養成分
桃の気になる栄養成分は次の通りです。
白色桃
黄色桃※参考:文部科学省「食品データベース」
桃は白色果肉と黄色果肉があります。栄養素にほとんど違いはありませんが、黄色果肉の方が糖分が多いので、甘く感じることが多いです。
桃の効能
桃の栄養素がどのような効能をもつのか確認していきましょう。具体的には、以下の4つです。
- エネルギーの源になる
- お腹の調子をサポート
- 疲労回復
- 浮腫み予防
- 代謝のサポート
エネルギーの源になる
桃に含まれる糖質はエネルギーの源です。「摂り過ぎると太る」というイメージがありますが、桃をはじめフルーツの糖質は体で利用しやすく、ちょうど良い量を食べれば気にしなくて大丈夫です。
桃をまるごと1つ食べて、だいたい70kcal。みかんなら2個分くらいのカロリーなので、食べられる量を比べるとヘルシーだと分かります。お腹が空いたとき、元気が出ないとき。体にパワーがほしいときにおすすめです。
お腹の調子をサポート
桃はお腹の調子をサポートする作用があります。桃に含まれる有機酸や食物繊維が腸の働きを刺激するからです。
有機酸はクエン酸やリンゴ酸のことで、腸の運動を促します。また食物繊維は腸内の善玉菌のエサになったり、便のカサを増やして便意を感じやすくなったり、お腹の調子を整えます。
桃は水溶性の食物繊維も含んでいるので、便秘の方にもおすすめです。
疲労回復
桃に含まれるアスパラギン酸は、疲労の回復をサポートする働きがあります。疲労時に溜まりやすい乳酸の代謝を促すほか、エネルギーを作りだすTCAサイクルのお手伝いもできるからです。
アスパラギン酸の疲労回復効果はひろく認められており、栄養剤にも使われるほど。桃まるまるひとつ食べるとアスパラギン酸は約400〜500㎎で、アスパラギン酸配合の栄養剤と同等量なんです。栄養剤ほどの効果を得ることは難しいですが、疲労回復のお手伝いはしてくれると分かります。
浮腫み予防
桃に含まれるカリウムは、体内の余分な水分を外に出す作用があります。余分な水分が身体から少なくなれば、浮腫みがなくなり体もスッキリとします。
とくに女性は浮腫みやすく、生理や妊娠によっても影響を受けやすいです。桃をはじめぶどうや梨など、カリウムを含むフルーツを食べて浮腫みを予防しましょう。
代謝のサポート
ビタミンB1やB2、アスパラギン酸を含む桃は、さまざまな栄養素の代謝をサポート。糖質や脂質を体で利用するとき、エネルギーをつくりだすときにも活躍します。
いずれの栄養素も水に溶けやすいため、生のまま丸ごと食べられる桃は効率的に栄養素を補えますね。普段から生鮮食品を食べない方は、1日1個のフルーツを取り入れてみましょう。
桃の栄養価は生と缶詰で大きく変わる
桃の缶詰は生の桃よりも高カロリー・高糖質です。食べ過ぎた場合、生の桃よりも体への影響が出やすいので、気をつけましょう。
缶詰と生で桃の栄養素を比較すると…
※100gあたり
※文部科学省「食品データベース」
表をみると、缶詰のほうが生の桃よりも2倍近くカロリー・糖質が多いと分かります。一方食物繊維やアスパラギン酸の値は同じくらい。缶詰は保存性を高めるため、大量の砂糖を使用しています。甘くて美味しいのですが、適量を楽しみましょう。
妊婦さんやダイエッターさんは生の桃がおすすめ
ダイエットや体重コントロール中の方は、生の桃をおすすめします。缶詰の桃はカロリーや糖質が多く、食べ過ぎると肥満や糖尿などを起こす可能性があるからです。
桃は1日1/2~1個がおすすめ
桃を食べるなら、1日に1/2〜1個までがおすすめです。1個までなら、200kcal未満・糖質10〜20gと適量であり、間食としても食べやすくなります。ちなみに桃1/2〜1個で食物繊維1〜4gを含みます。よって血糖値が上がりにくく、それでいて甘さをしっかり感じられます。
桃の栄養まとめ
桃の栄養素は糖質・ビタミンB群・食物繊維・アスパラギン酸などさまざまです。いずれも体に必要な栄養素ばかりなので、ちょっと不摂生が続いているな…と感じる方にもおすすめのフルーツ。
1日に1/2〜1個を目安に食べると、桃の栄養素が体で活躍してくれるでしょう。妊婦さんや授乳中のママにもおすすめのフルーツなので、適量を意識し、おやつ代わりに食べてみてくださいね。