ぶどうのおはなし
夏と言えば、やっぱり冷たいスイカやメロン、そしてジューシーなぶどう。ぶどうは見た目が可愛らしく、甘酸っぱい味わいが魅力的なだけでなく、実は栄養の宝庫!今回は、夏の宝石とも呼ばれるぶどうについて、栄養価や選び方、食べ方など、ぶどうの魅力をもっと知っていただき、存分に美味しく味わうための情報をたっぷりとお届けしたいと思います。
選ぶのが難しい?ぶどうの種類と選び方

あなたの好みのぶどうはどの品種?
今が旬のぶどうは、甘くてジューシーな味わいで、多くの人に愛されています。皆さんはお気に入りのぶどうはありますか?近年では、様々な品種が開発されており、味や食感も様々です。ぶどうは、大きく分けて「黒色」「赤色」「黄緑色」の3色に分類されます。黒色は皮が黒く、果肉も濃い紫色をしたぶどうです。巨峰やピオーネなど、糖度が高く、濃厚な味わいの品種が多いのが特徴です。 赤色は皮が赤く、果肉は白色や薄紅色のぶどうです。デラウェアやキャンベル・アーリーなど、酸味が少なく、爽やかな味わいの品種が多いのが特徴です。 黄緑色は皮が薄緑色で、果肉も緑色のぶどうです。シャインマスカットやマスカット・オブ・アレキサンドリアなど、皮ごと食べられる品種が多く、上品な甘さと香りの良い品種が多いのが特徴です。
蝶結びで取り扱うことの多い品種はピオーネとシャインマスカット。ピオーネは巨峰とカノンホール・マスカットという、マスカットの掛け合わせた品種です。ピオーネはもともと種ありの品種でしたが、最近は種無しの品種もよく見かけますね。シャインマスカットは種がなく、甘みが強くてさっぱりとした後味で、お子様からお年寄りまで食べやすい品種です。ピオーネは一般的に、皮は剥いて食べられていますが、シャインマスカットは皮が薄くて柔らかいため、皮ごと食べることができ、栄養を余すことなく食べられるぶどうです。ピオーネも皮ごと食べても問題はありませんので、もし気にならないようであれば、ぜひそのままどうぞ。
みずみずしいぶどうで水分&栄養チャージ

驚くべき!ぶどうの健康効果と1日あたりに食べるべき目安量
日頃の疲れやストレスを感じている方、多いのではないでしょうか?ぶどうには、疲労回復効果や集中力アップに効果のあるビタミンB群や、美肌効果や免疫力アップに効果のあるビタミンC、むくみ解消に役立つカリウム、腸内環境を整える食物繊維、目の疲労予防や視力保護に効果のあるアントシアニンなど、様々な栄養素が豊富に含まれています。
美味しくて栄養価の高いぶどう。ついついたくさん食べたくなってしまいますが、食べすぎるとカロリーを摂りすぎてしまいます。健康的に食べるのであれば、デラウェアなどの粒の小さい品種の場合は1房、巨峰やピオーネ、シャインマスカットなど粒の大きな品種の場合は15粒程度を目安に。また、干しぶどうはそのままのぶどうよりも食べやすいですが、様々な栄養が凝縮されているため、特に妊娠中の方や血糖値の気になる方は食べ過ぎないように注意が必要です。ぶどうの他にも果物を組み合わせて食べる場合には量を減らして、健康的に美味しく栄養補給しましょう!
ぶどうで日頃の疲れを癒しましょう
ぶどうには人間のエネルギー源となる糖質が豊富に含まれており、糖質の中でも特に他の果物と比べても多いのが「グルコース(ブドウ糖)」です。グルコースは糖質の最小単位のため、体内への吸収率がとても良いと言えます。また、グルコースは脳で利用できる唯一のエネルギー物質です。そのため、ぶどうは勉強中や運動時など、素早くエネルギーを補給したい時におすすめの果物です。グルコースは日本では「ブドウ糖」と呼ばれています。エネルギー補給にブドウ糖のお菓子などが販売されていますよね。わたしも学生時代、受験やテスト前、部活のおやつとして食べていました。このブドウ糖、実は日本で初めてグルコースが発見されたのがぶどうからだったため、その名が名付けられたそうです。
格別な美味しさで疲労回復やリラックス効果が期待できるぶどう。 運動をする方、夏バテや日頃の疲れを感じている方は、ぜひ積極的にぶどうを味わってみてはいかがでしょうか?
美容にも嬉しいぶどうの魅力

ぶどうで美肌に!アンチエイジング効果も期待
年齢とともに、お肌の悩みが増えてきたな…みなさんもそんな風に感じることはございますか? ぶどうは、美肌効果のある栄養素が豊富に含まれており、アンチエイジング効果も期待できます。ぶどうには、美肌効果のあるビタミンCが豊富に含まれており、 シミやそばかすの原因となるメラニン色素の生成を抑制し、シミやくすみを防ぐ効果が期待できます。 また、ビタミンCはコラーゲンの生成を促進する効果もあり、ハリのあるお肌作りにも役立ちます。そして、ぶどうには抗酸化作用のあるポリフェノールも豊富に含まれており、活性酸素による細胞の酸化を防ぎ、老化を抑制する効果が期待できます。 また、ポリフェノールは血行を促進する効果もあり、くすみやクマの改善にも役立ちます。今が旬のぶどうを毎日取り入れて、ぶどうのようにみずみずしいお肌を目指したいですね!
ぶどうは皮ごと食べるべき?!最大限に栄養効果を発揮する取り入れ方
美肌やアンチエイジング効果を期待する場合は、アントシアニンと呼ばれるポリフェノールが豊富な黒色系のぶどうを選ぶのがおすすめです。 アントシアニンは皮に多く含まれているため、皮ごと食べられる品種であれば、そのまま食べることでアントシアニンを効率的に摂取することができます。中でもピオーネの皮はアントシアニンの他にもカテキンと呼ばれるポリフェノールも多く含まれており、その量はなんと巨峰の約5倍!カテキンは老化の予防や体脂肪の低減に効果が期待できると言われています。注意点として、どの品種のぶどうにも言えますが、皮ごと食べる場合はよく洗ってから食べるようにしましょう。そして、ぶどうの美容効果を最大限に発揮するには、時期によって「旬のぶどうを食べる」、体内への吸収率を高めるために「ゆっくりと味わう」、糖質を摂りすぎないように「食べ過ぎない」の3つを心掛けるようにしましょう。
ぶどうを存分に楽しむためのテクニック

美味しいぶどうを長く楽しむための保存方法
旬の時期を迎えたぶどうは、美味しさだけでなく栄養価も豊富で、多くの方に愛されています。 しかし、ぶどうはデリケートなフルーツで、すぐに傷んでしまうこともありますよね。 そこで今回は、ぶどうを長く楽しむための保存方法についてご紹介します。
ぶどうの表面には白い粉がついていることがありますが、これは「ブルーム」と呼ばれる天然の保護膜で、新鮮な証拠です。 ブルームは、ぶどうの鮮度を保ち、カビや細菌の繁殖を防ぐ効果があります。 洗ってしまうとブルームが落ちてしまうため、保存する際は洗わないようにしましょう。ちなみに、ブルームは人体には無害なものなので、食べる際に流水で軽く流すだけで大丈夫ですよ!また、ぶどうは乾燥に弱いため、 新聞紙やキッチンペーパーで包んでポリ袋に入れて乾燥を防ぎ、保存する際は必ず冷蔵庫の野菜室で保存しましょう。ぶどうは低温に弱く、5℃前後が最適と言われています。品種や状態によって保存期間は異なりますが、基本的に冷蔵保存は1週間程度を目安に食べ切りましょう。もし、1週間以内に食べきれない量のぶどうがある場合には、冷凍保存することでさらに長持ちします。冷凍保存する場合には、洗って水気を拭き取ってから冷凍しましょう。もう1つ、ぶどうを美味しく長持ちさせるポイントとして、傷んだ粒を見つけた場合には早めに取り除きましょう!そのまま保存してしまうと、傷んだ粒の周りの粒にもカビが生えやすくなってしまいます。ポイントを参考に、正しい保存方法でぶどうを長く、美味しく味わいましょう!
お子様が安全にぶどうを楽しむためのポイント
ぶどうはアレルギー反応が少なく、消化もしやすいフルーツのため、赤ちゃんから食べることができます。しかし、飲み込む力も消化力も弱いお子様の場合は年齢に合わせた食べ方をしないと思わぬアクシデントを引き起こす可能性もあるのです…
ぶどうは離乳食初期の生後5〜6ヶ月頃から与えることができますが、この頃は果汁のみ。または皮と種を取り除いて、裏ごすか、すり潰しましょう。離乳食中期の生後7〜8ヶ月頃からは皮と種を取り除き、すり潰すか、細かく刻みましょう。離乳食後期の生後9〜11ヶ月頃以降は皮と種を取り除いた後、5〜8mm程度の角切りにして与えましょう。アレルギー反応の心配が少ないぶどうですが、食べ慣れていない初めの頃は衛生的な面から見ても少し加熱することをおすすめします。アレルギーの問題なく食べられるようになれば、加熱の必要もなくなり、大人と同じように新鮮なぶどうをそのまま一緒に楽しむことができます!しかし、丸くてツルツルした形のままだと窒息してしまう恐れもあるため、4歳頃まではぶどうの粒の大きさに合わせてカットしましょう。大粒のぶどうの場合には、縦に4等分することで、窒息のリスクを防ぐことができます。お子様の発達状況に応じて、みんなで安全に美味しくぶどうを楽しみたいですね!