マンゴーとさくらんぼのおはなし
春が旬のフルーツは「さくらんぼ」と「マンゴー」。蝶結びから皆様へお届けさせていただくさくらんぼは山形県または青森県、マンゴーは宮崎県産のものを中心としております。今回は旬のフルーツ2つをテーマに、知っていると周りに伝えたくなるような?!栄養のお話しをさせていただこうと思います。
さくらんぼとアメリカンチェリーの違い

さくらんぼとアメリカンチェリーは違うフルーツ?
コロンと可愛い赤い実をつけるさくらんぼとアメリカンチェリー。似たような見た目だけど、異なる名前だから同じ果物ではないはず。でも、さくらんぼとアメリカンチェリーって何がどう違うの?って気になる方も多いのではないでしょうか。
さくらんぼとアメリカンチェリーはどちらもバラ科の実ですが、産地はもちろん、食感や味、よく見ると見た目も異なるため、基本的には別のフルーツとして扱われています。さくらんぼは日本の果物で、国内で栽培されたもの。対して、アメリカンチェリーはその名の通り、アメリカで栽培されたさくらんぼです。見た目の違いは、さくらんぼは小粒で丸く、水彩のような鮮やかな紅色ですが、アメリカンチェリーはさくらんぼより一回り程度大粒で丸く、少し黒がかったような濃い赤紫色をしています。味わいにも大きな違いがあります。さくらんぼは上品な甘さと程よい酸味を感じるのに対し、アメリカンチェリーは酸味はあまり感じられず、甘味が強くて食べ応えがあるのが特徴です。どちらも生のまま食べられますが、甘味の強いアメリカンチェリーはどちらかといえば、ジャムやお菓子などの加熱調理に向いています。しかし、上品な甘さのさくらんぼは栄養面を考えた上でもビタミン類が豊富なので、是非ともそのまま生で美味しくお召し上がりいただきたいです。さくらんぼとアメリカンチェリーの栄養面についてはまた引き続き解説していこうと思います!
別の果物=栄養価も違う?!

ビタミンとミネラルが豊富なさくらんぼとアメリカンチェリー。特に鉄分はどちらも同じ量を含んでおり、フルーツの中ではトップクラス。そして、どちらもビタミンCも含まれているため、鉄分の吸収率も上がり、貧血予防に効果的なフルーツと言えます。しかし、さくらんぼとアメリカンチェリーはその他、栄養成分に様々な違いがあります。
さくらんぼのカロテン量はりんごや桃に比べて4〜5倍もあります。アメリカンチェリーにはないαカロテンをはじめ、βカロテンやβクリプトキサンチンはアメリカンチェリーの3〜4倍の量を含みます。このカロテンやクリプトキサンチンは、体内で抗酸化作用の高いビタミンAに変化し、皮膚や粘膜、視覚の健康維持・向上に効果があると言われています。また、体内水分量や血圧をコントロールする役割のあるカリウムも豊富なさくらんぼ。対して、アメリカンチェリーは1.2倍多くカリウムを含みます。そのため、どちらかといえば、ビタミンが多いのはさくらんぼ、ミネラルが多いのはアメリカンチェリーとも言えるでしょう。
マンゴーの食べ方による栄養価の違い

マンゴーの栄養を効果的にとる方法
世界三大フルーツのうちの一つであるマンゴー。マンゴーの栄養をしっかり体内に吸収するには、「生のまま」、「脂質と食べ合わせる」、「細かくする」の3つを心掛けると良いとされています。マンゴーの栄養成分に含まれる葉酸は加熱に弱く、βカロテンやビタミンEは脂質と食べ合わせることで、吸収率がアップします。そのため、ヨーグルトと一緒に食べると良いです。また、βカロテンは細かくすることでより吸収しやすくなります。不溶性食物繊維も豊富なので、マンゴージュースよりは生のままでピューレや一口サイズにカットして美味しく栄養を摂りましょう。
生・ドライ・冷凍の違い
生で食べるマンゴーは栄養をそのまま全部取り入れられますが、加工することで壊れてしまう栄養成分も少なからずあります。しかし、乾燥させたドライマンゴーはカリウム、βカロテン、ビタミンB1、ビタミンE、食物繊維が6〜10倍程アップします。先述した通り、βカロテンやビタミンEはヨーグルトと食べると吸収率が上がるため、ドライマンゴーをヨーグルトに浸して一緒に食べることで存分に栄養を取り入れることができます。また、この食べ方は食物繊維がとっても豊富なマンゴーによって、ヨーグルトの乳酸菌も増えるため、便秘解消効果が高まります。栄養が凝縮すると、糖質量も上がるため、食べる量には注意が必要ですが、多くのメリットもあるのです。冷凍のマンゴーは生のマンゴーと栄養価はあまり変わりませんが、細胞膜が破壊されることで栄養を吸収しやすい状態と言えます。このように栄養が凝縮されたり、保存期間が延びたり、安価で手軽に食べやすいなど、加工されることで得られるメリットも多数あるため、ご自身のライフスタイルに合わせた食べ方をおすすめします。食感の違いを楽しみましょう!
ポリフェノールの栄養効果

ポリフェノールについて
さくらんぼやマンゴーには多くのポリフェノールが含まれています。抗酸化作用が強く、「若返りの栄養素」と呼ばれる、ポリフェノール。アンチエイジングに欠かせない栄養素であり、老化防止や若返りを期待できる栄養素として、毎日摂取することがおすすめです。ポリフェノールの種類は数がとても多く、なんとその数は約5,000種類!さくらんぼとマンゴーに含まれるポリフェノールの種類は異なりますが、どちらも豊富に含まれています。この後、各々のもつポリフェノールについて解説させていただきますね。
さくらんぼとマンゴーのポリフェノール
さくらんぼの赤色はアントシアニン、そしてマンゴーの果皮の赤色もさくらんぼと同じアントシアニンによるもの。アントシアニンは目の疲れを緩和し、機能を回復させる効果があります。日頃からパソコンやスマホを使用する方には是非とも取り入れていただきたい栄養素です。また、マンゴーの果肉の黄色にはエリオシトリン、ゼアキサンチンというポリフェノールが含まれており、種子にはエラグ酸など多くのポリフェノールが含まれています。特に種子のポリフェノールの抗酸化作用は化粧品の原料にもなるほど。詰まった毛穴やニキビの改善に効果があり、皮膚を健やかに保つための素晴らしい栄養素として利用されています。
旬の果物で美容と健康を維持しましょう!

キレイをサポート
さくらんぼやマンゴーはポリフェノールの他にも抗酸化作用のあるビタミンA・C・Eが豊富です。特にマンゴーには強い抗酸化力を持つβカロテンを多く含みます。先程、さくらんぼのところでもお話ししましたが、体内でビタミンAに変わるβカロテンはさくらんぼよりも多く、約8倍量を含みます。その量はまさに緑黄色野菜に匹敵するほど!熟して色が濃くなるにつれて、βカロテン量も多くなります。美味しくビタミンを取り入れて美肌を目指すためには、色鮮やかなものを選びましょう。
毎日の健康のために
さくらんぼに含まれる糖質の一つである、ソルビトールは他の果物に多く含まれる果糖やショ糖に比べて低カロリーなのにも関わらず、体内の余分な水分の排出や便に適度な水分を与える役割があります。食物繊維との相乗効果によって便秘を解消し、ダイエットにもぴったり。また、ソルビトールは歯磨き粉の成分にも利用されており、虫歯予防にも良い栄養素とされています。
マンゴーには免疫力を高める働きのあるビタミンが豊富ですが、ミネラル分も多く、その中でも豊富に含まれているのはマグネシウムです。睡眠の質を向上させるために必要な栄養素で、なかなか寝付けない方はしっかり摂取することをおすすめします。また、マグネシウムは神経系や筋肉に関係する栄養素であるため、精神状態の改善や運動機能の向上、加齢に伴う筋力の低下を予防するなどの効果も期待できます。
さくらんぼとマンゴーは、年齢を問わずに「美味しく健康を目指せるフルーツである」と言えるでしょう。
美味しく楽しんで食べるための注意点
免疫力の向上に期待ができるなど、栄養豊富なさくらんぼとマンゴーですが、疲労が溜まっている時に食べたり、食べ過ぎによるリスクもあります。どちらもアレルギーを引き起こす可能性のある成分がいくつか含まれているため、体質や体調によってはかゆみやかぶれ等が現れてしまうこともあるのです。免疫力が低下している時に食べるのを避け、食べ過ぎにも気を付ける他、心配な方にはマンゴーは手袋をしてカットやフォークを使って食べる等、あまり触れないようにすることをおすすめします。せっかくの美味しいフルーツ、思う存分に旬の味わいを楽しみましょう!