桃のおはなし
暖かさを存分に感じる季節になり、カラダの不調に悩まされたりしていないでしょうか?地域によっては梅雨であったり、急な気温の上昇に体温の調整が上手くできなかったりなど、お家の中でも外出先でも、疲れを感じやすい時期ですよね。今の旬のフルーツといえば大人気の「桃」!フルーツの中で一番好きだよって方もおられるのではないでしょうか?今回は旬の「桃」をテーマに、知っていると周りに伝えたくなるような?!栄養のお話しをさせていただこうと思います。
あなたの好みの桃はどんな桃?

品種によって異なる美味しさ
桃には100種類を超えるほどの品種があり、主に白桃系、白鳳系、黄桃系の3つに分けられています。白桃系は日本で最も昔から生産されている桃です。果皮は栽培方法によって白やピンク色、果肉はピンクがかった白色の見た目をしています。ギュッと引き締まった品種が多く、爽やかな甘味と程よい酸味を楽しめるのが特徴です。白鳳系は白桃を改良してつくられました。果皮や果肉の色は白桃と同じような見た目ですが、水分量が多くて柔らかく、ジューシーでとろけるような甘味と食感を楽しめます。黄桃系は果皮や果肉ともに黄色の見た目で、白桃よりも歯応えのある硬い桃が多かったため、缶詰やコンポートなど、加工品に多く利用されていました。しかし、近年では白桃に近い食感の黄桃も生食として人気です。蝶結びでは6月末から7月中旬くらいは日川白鳳や白鳳、7月中旬以降は白桃系の加納岩白桃やなつっこ、一宮白桃、清水白桃、8月からは白桃系の川中島白桃やゆうぞらを取り扱うことが多いです。その他ももの分類としては毛のないネクタリンや海外でよく見かける蟠桃もありますね。ちなみに「スモモもモモも桃のうち」といった言葉を耳にしたことはありますか?すももは桃とは異なる属性のため、桃ではありません!どちらもバラ科ですが、桃はモモ属、すももはサクラ属として分類され、すももは桃に比べて酸味が強い特徴があります。
甘く加工された桃の缶詰
桃の缶詰って年間を通してスーパーで気軽に手に入りやすいですよね!手作りのスイーツにとても便利ですし、桃が入っているだけで、なんだか特別感が出ます。桃の缶詰は白桃と黄桃を見かけると思いますが、生の状態のももと栄養価が大きく変わります。白桃と黄桃では、あまり栄養価に差はありませんが、どちらも缶詰にする時はシロップ漬けされているため、糖質が高く、水溶性のカリウムとビタミンCは流れ出てしまいます。生のももと比べると、カロリーは2倍に増し、カリウムは半分以下、ビタミンCは4分の1の量まで減ってしまいますが、食物繊維やビタミンE量は少し増えます。缶詰にすると栄養が全てなくなってしまう訳ではありませんし、保存期間が長くて安価で手に入りやすいという大きなメリットもあるため、目的に応じて利用しましょう。
桃で健やかなカラダと肌を保とう!

桃に含まれる豊富な栄養素
甘くて美味しい桃ですが、実は水分を多く含むため、フルーツの中ではカロリーは控えめです。桃はカラダに必要な栄養を豊富に含み、他のフルーツと比べて特に多いと言えるものはカリウムとビタミンEです。カリウムは体内で余分となるナトリウムを排出するはたらきがあり、むくみ解消に役立つミネラルです。ビタミンEは肌やカラダの老化を防ぐ抗酸化作用があります。「α―トコフェロール」という、抗酸化作用の効力が高いビタミンEを含む桃。その「α―トコフェロール」の量は果物の中でもトップクラスで、特に黄桃系の品種に多く含まれていると言われています。
食べない部分にも栄養がたくさん
「桃の葉エキス」って言葉を目にしたことはございますか?実は、桃には普段食べない「葉」の部分にも栄養がたっぷり。特に、タンニンやマグネシウム、カリウムを多く含みます。桃の葉は肌に良い野草として有名で、エキスを抽出すると、あせもや肌荒れ、湿疹などの皮膚のトラブルを抑える効果があります。また、桃の葉は美肌や整腸作用、生理痛の緩和など、女性に嬉しい効果が期待できるハーブとして、古くより利用されてきました。桃の葉エキスの効果は抜群で、ベビーローションや化粧品、入浴剤、ハーブティーなど、多くの商品に配合されています。外からも内からも自然な栄養を吸収することができる万能な「桃の葉」。もし手に入った際には煮出してエキスをお風呂に入れてみるのもいいですね。
桃の食べ過ぎの目安とは?

1日にとると良いおすすめの摂取量
みずみずしくて甘い桃。しかし食べすぎると体調を崩す恐れもあります。1日に食べる桃の量としてはどれくらいが適量かというと、健康な成人の場合では「1個まで」です。農林水産省・厚生労働省による、1日あたりの食事摂取基準を示した、食事バランスガイドではフルーツは1日200g程度摂ることを推奨しています。大きさにもよりますが、桃は1個あたり200g〜300gのため、糖質量を考慮しても1個までが適量といえるでしょう。また、他の果物を食べる場合には、摂取量を調整しましょうね。
食べ過ぎによるカラダへの影響
カロリー控えめな桃ですが、果糖やフルクトースなど、糖質も多く含むため、食べ過ぎると余分な糖質は脂肪としてカラダに蓄えられてしまいます。また、桃はバラ科に属し、同じバラ科のりんごやいちご、さくらんぼといったフルーツとともに食べ過ぎるとアレルギー症状を起こす可能性があるため、特に免疫力が低下している時に食べる際には、食べ過ぎに注意が必要です。他にも、桃にはカリウムを豊富に含むため、腎臓に疾患のある方にとっては負担となってしまう可能性があります。桃に限らず、どんな食材もそればかり食べていては、栄養が偏ってしまい、誰もが健康を害する恐れはあります。せっかく美味しい桃を食べるなら、適量を食べてカラダに栄養をたっぷり届けたいですよね。
美味しく桃を食べて栄養チャージ!

効率よく桃の栄養をとるコツ
一般的には生のまま食べることの多い桃ですが、お料理やお菓子づくりに使うこともありますよね。せっかく栄養豊富な桃ですから、なるべく栄養が無駄にならないように食べたいところ。コンポートやジャムなど、加熱すると日持ちはしますが、桃は熱に弱い栄養素を多く含むため、桃の栄養を余さず摂るためには生のまま食べることをおすすめします。そして、皮を剥いて食べる方も多いとは思いますが、桃の果皮には豊富な食物繊維やビタミンC、果肉には含まれていないカテキンが含まれています。果肉だけ食べるよりも果皮を一緒に食べることでより多くの栄養を摂ることができます。しかし、産毛が生えていて皮を食べることに抵抗のある方もいらっしゃると思います。そんな方には「川中島白桃」など硬い品種の桃がおすすめです。りんごのように食べることができますよ。また、桃に多く含まれるビタミンEをしっかりと吸収するためには、脂質のものと食べ合わせるか、食後に食べましょう。吸収率が上がり、効率よく栄養を摂ることができます。お料理にするならば、生の桃を使ったカプレーゼやマリネは油脂と一緒に食べることができるので、おすすめの調理法と言えますね。目的に応じた調理法で桃を存分に楽しみましょう♡
美味しく食べるための保管方法
少しどこかにぶつけてしまったり、軽い力で持たないとすぐに傷んでしまいますよね。とてもダメージを受けやすいデリケートな桃は硬い桃が柔らかい桃か、品種によっておすすめの保管方法が異なります。硬い品種の桃は柔らかい品種に比べると水分量が少ないため、日持ちはしますが、常温保管しておくと3日以内に柔らかくなってきてしまいます。だからと言って、長く日持ちさせようと、冷蔵庫保管するのは避けてくださいね。桃は冷えた場所や乾燥を苦手とするため、2日で食べ切れる量であれば常温保管し、食べる数時間前に冷蔵庫で冷やしておくと美味しく食べられます。食べ切るのがなかなか難しい量の時は、桃を1つずつ新聞紙で包み、その上からポリ袋で覆って常温保管しましょう。柔らかい品種の桃はまだ完熟せずに硬い場合には、常温保管をして完熟させていきます。柔らかくなると痛みが加速していくため、1つずつ空気が入らないようにラップで包み、冷蔵庫で保管しましょう。もう既に完熟した桃を購入した場合には、なるべく早く食べることをおすすめしますが、食べきれない量であれば新鮮なうちに冷凍保管しましょう。贅沢なスムージーはいかがでしょうか?今が旬で、高級感のある桃。上手に保管して、美味しく召し上がりましょう!