いちごのおはなし

いちごのおはなし

冬から春にかけての旬のフルーツといえば「いちご」!蝶結びでは、関西や九州地方の新鮮ないちごを取り扱うことが多いです。甘酸っぱくて、みずみずしいいちごは食卓に彩りを添えてくれますよね。お好きな方も多いのではないでしょうか?今回はそんな今が旬のいちごの秘密や美味しく効果的に栄養が摂れる方法を一緒に探ってみましょう!

なぜ「いちご」は赤いの?色の正体とは

いちごを彩る色素成分

真っ赤ないちごって甘くて美味しそうで手に取りたくなりますよね。いちご=赤色のイメージですが、どうしていちごは赤色なのかご存知でしょうか?いちごはポリフェノールの一種である、「アントシアニン」という色素成分によって赤色になります。いちごははじめ、緑色をしていますが、少しずつ大きくなって甘くなるにつれて緑色の葉緑素が壊れ、白っぽくなっていきます。そして太陽の光が当たることによって、アントシアニンが発生し、どんどん美味しそうな赤色に変化していくのです。

いちごの色素成分のはたらき

この「アントシアニン」、実は強い抗酸化作用をもっており、目や身体の老化を予防する効果があります!視力の回復や目の疲れを解消する働きや身体中の細胞を守る働きがあり、視力低下や加齢による身体の衰えが気になる方は特に毎日の食事に取り入れることをおすすめします。しかし、アントシアニンは水溶性のため、長時間の持続効果は期待できません。アントシアニンの効果を継続させるには、一度にアントシアニンの栄養を沢山摂ろうとせず、1日のうちに複数回に分けて摂ると良いとされています。また、アントシアニンは乳製品など、脂質と一緒に摂ることで吸収率が2~3倍に上がりますよ。

白いちごはなぜ白い?

ちなみに、品種によっては赤くないいちごもありますよね。近年人気の白いちごはなぜ赤くないのでしょうか?それは、アントシアニンの含有量が少ないためです。アントシアニンの量が少ないからといって、日陰で育てている訳ではありません。遺伝的な要因で光を浴びてもアントシアニンが作られにくいのです。

美肌と健康をサポートする「いちご」

ビタミンCで若々しく!

いちごの栄養素の中で、まず思い浮かべるものは何でしょうか?きっと「ビタミンC!」とお考えになる方も多くいらっしゃいますよね。いちごは100gあたり62mgのビタミンCを含んでいます。その量はなんと、みかんやグレープフルーツの約2倍!いちごは「ビタミンCの女王」と呼ばれるくらい、フルーツの中でも特にビタミンCが豊富なのです。意外ですよね。ビタミンCはコラーゲンをつくる働きやメラニンがつくられるのを抑える働きがあるため、シワやシミの予防が期待できます。また、抗酸化作用によって免疫力を高めることができるため、風邪の予防にもなります。いちごは水洗いするだけでそのまま食べることができ、気軽にビタミンCを摂るのに最適なフルーツです!

葉酸で健やかに過ごそう

ビタミンCが豊富なことで有名ないちごですが、その他に多く含まれている栄養素として、ビタミンB群の「葉酸」があります。いちごは100gあたり90μgの葉酸を含んでおり、フルーツの中ではトップクラスの含有量を誇ります!葉酸は妊活中や妊娠中、授乳中の女性に積極的に摂っていただきたい栄養素。特に、赤ちゃんの脳や神経管、心臓などの身体の大切な部分が形成される妊娠初期に十分に摂ることが必要です。また、葉酸は赤血球や細胞がつくられるのを促す働きがあるため、不足すると貧血になりやすくなります。妊娠中の方だけでなく、みなさんにとっても必要な栄養素なのです。

「いちご」って1日に食べてもいい量はどれくらいなの?

いちごの食べ過ぎは体調不良に?!

甘酸っぱくて一口サイズで食べやすいいちご。ついつい沢山食べてしまいたくなることもあるのではないでしょうか?いちごはビタミンCや葉酸の他にも、水溶性食物繊維やカリウムも多くて酸性の食材のため、食べ過ぎてしまうと消化不良となり、腹痛や下痢を引き起こす可能性があります。また、バラ科のいちごは大量に食べることによって、イチゴアレルギーを発症する可能性もあるのです。特に幼いお子様はまだ消化機能も未熟なため、お腹が不調になりやすく、アレルギーも引き起こしやすいので注意しましょう。どんな食べ物でも食べ過ぎは体の不調に繋がるため、いちごに限ったことでないですけどね!

味わっていちごを食べましょう

ビタミンCが豊富ないちごは、生のまま食べるのであれば、6粒程度で1日に必要なビタミンCを摂ることができます。いちごは他の果物に比べて、果糖の量が非常に少なく、カロリーも低いため、太りにくい果物と言えます。1日に摂ると良いちごの適量は、スーパーでよく見かけるような中サイズのいちごで「10個程度」です。幼いお子様は大人の半量を目安にしましょう。もちろん、他のフルーツも食べる場合は調整してくださいね!また、いちごはカラダを冷やす性質もあるため、冷え性の方や妊婦さんは1回あたり3粒を目安にしましょう。食べる前に常温に置くことで冷えの予防もできますし、常温にすることで甘みを感じやすくなりますよ。

「いちご」の栄養をチャージ!食べ方のススメ

新鮮さをキープする保存方法

新鮮で美味しいいちごは生でそのまま食べたいところ!しかし、もったいなくてすぐには食べ切らず、いくつかはしばらく保存しておこう…と思うこともありますよね。いちごは洗って食べると思いますが、洗うのは必ず食べる直前にしましょう。保存する場合、洗ってしまうと腐敗の原因となってしまうため、食べない分は決して洗わずに。また、いちごのヘタを下にして、重ならないように保存すると傷みにくいです。ちょっと面倒だなと思うかもしれませんが、パックに詰められて、キュッとなってしまっているいちごには、少しだけゆとりを持たせてあげましょう。保管場所については、常温だと長くても2日程度しか保たないため、冷蔵がおすすめです。冷蔵庫内でも、野菜室の温度が保管には適しています。いちごは追熟することはなく、摘み取った時が一番美味しいと言われていますが、上手な保管ができると5日程度美味しさを保つことができますよ!

美味しくいちごの栄養を摂ろう!

また、いちごの栄養を効果的に摂るには生のままがおすすめです!いちごに多く含まれるアントシアニンやビタミンC、葉酸は水溶性ビタミンのため、栄養素が水で流されやすいのです。美味しく栄養を摂るためには、いちごのヘタは取らず、傷つけないように優しく洗いましょう。実はいちごで一番栄養がある場所はヘタの真下と周辺と言われており、ヘタを取ってから洗ってしまうと、その部分から栄養が流れ出てしまう可能性があります。ヘタを取る時は根本をつまんで軽くひねるとキレイに除けます。刃物で切ると、ヘタと一緒に周辺の栄養が集中している部分まで捨てることになってしまって勿体ないです。余すことなくいちごの栄養を美味しく摂って、毎日元気に過ごしましょう!

監修:栄養士 内田真実